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2020年7月14日ニュース

ファミリービジネス関連の書籍を紹介する「J.P.通信」でEps.20 小島 希世子著『農で輝く!ホームレスや引きこもりが人生を取り戻す奇跡の農園』を投稿しました。

(FBページはこちら⇒ https://www.facebook.com/JP通信-by-FEMO-782507828813683/?modal=admin_todo_tour

九州地方を中心とした大雨による痛ましい被害に、ただただ現地の1日も早い復旧を願うばかりです。都心部での新型コロナウイルス感染者数の急増もあり、日本における「宿題」の日々はまだ続きそうです。

渦中で新しい生活様式への転換が求められる中、誰もが生き残れる道を模索中だと思いますが、近年次世代の関心が特に高いのがSDGs(持続可能な開発目標)です。今や多くの企業や団体、ひいては個人での取り組みにいかにして「人々を惹きつける魅力と現実性」を持たせられるかが世界レベルでの「宿題」になっています。今回ご紹介する本は、「農業」という分野で今まさにその答えを導こうとしている方によるものです。

著者であり、株式会社「えと菜園」代表取締役の小島希世子さん。畑の管理にホームレスの人々を起用したのをきっかけに、日本の農業界が抱える人員不足問題と生活困窮者への就農支援をつなげるという画期的な取り組みが評価され、今注目を集めています。私自身、この本を通してホームレスや引きこもりと呼ばれる人たちの持つ可能性を再認識させられました。

一人一人の持つ可能性を信じ日々奮闘する小島さんの奮闘記、是非ご一読下さい。

J.P.

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「農で輝く! ホームレスや引きこもりが人生を取り戻す奇跡の農園」

小島 希世子 著

 

「目の前の1人1人と向き合うこと」。それが自身の使命と小島氏は語る。人々とのやり取りの中から自身も学び、共に成長してきた日々を大切に思う著者らしいモットーだ。

小島氏が農業の道を志したのは幼少期、難民キャンプで食べるものもなく痩せ細った人々の姿をテレビで知った時だったそうだ。食べるものがなく飢えている人々がいるという世界の現実に、自分が出来ることは何かを考え、その問題解決の手段として農業に携わることを決意した。オンラインショップでの無肥料・無農薬野菜の販売に始まり、体験農園立ち上げなど、「農」の魅力を伝える小島氏の活動でとりわけ高く評価されたのが、ホームレスや引きこもりと呼ばれる人々を対象にした法人としての就農支援プログラムだ。

このプログラムを現実的なレベルまで持ってゆくにあたり最大の問題なのは、ホームレスや引きこもり・生活保護受給者など、小島氏が解決すべき問題のある意味「中心的存在」ともいえる人々の最も脆弱な部分、心のケアができる態勢をいかにして整えるかだった。彼らは、本質的な性格からくる心の問題や、その背景にある生活環境やこれまでの人生など、本人の意志や努力だけではどうにもならない複雑な事情を抱えているケースが多い。一言では言い表せない心の闇を抱えて生きているのだ。リストラや言葉の暴力で自信を失い、生きる意味を失い、後ろ向きに人生を生きる癖がついてしまっている。小島氏自身、当初は自分自身を大切にしようとしない彼らに怒りを覚えたこともあったそうだ。しかし彼らの中には、機会さえあれば働きたいという意欲を持っている人たちがいることを、小島氏はやり取りの中で気付くことが出来た。もともと仕事に就いていた時に得た技術や体力が、肉体労働を伴う農業には新たな労働力として大きなプラスになると確信した。根気強く彼らの「言葉の裏にある言葉」に耳を傾けようと腹をくくり、やがてその努力が少しずつ、でも着実に結果に結びつつあることを実感出来た。それは同時に、小島氏が目指す「農業に関わる人は全て幸せになる」という独自の図式の証明にもつながる。

小島氏が著書の中で語っているように、畑はポジティブな言葉で満ちた領域だ。雑草1つとっても、一見邪魔で無意味なものにもちゃんとした役割がある。それを人に置き換えた小島氏の言葉は、時に人々の心に響き大きな化学反応をもたらすのだ。

小島氏の目指す最終的なゴールは、農が”食”と”職”になる「農の未来」。「農」というフィールドで人々がいきいきと働ける未来の追究だ。そのために必要なのは、今までにない新しい「農業の形」だと小島氏は語る。そのために行っている取り組みの1つとして力を入れているのが、女性の基幹的農業従事者の可能性に焦点をあてた「農業女子プロジェクト」だ。女性の持つ着眼点や発想力が、新たな6次産業の活性化につながると大きな期待が寄せられている。

私たちの命の源、食と切っても切り離せない「農」。それに従事する人々は、自然の中から実に多くのメッセージを受け取っている。その言葉は時に厳しく、時に私たちにそっと寄り添ってくれる。彼らはいわば、自然からのメッセージを私たち現代人に届ける伝道師といえるのかもしれない。彼らがこれから、「農」を通じて私たちに何を伝え、それを私たちがどれだけ真摯に受け止めることが出来るのか。私たちも日々、「命」をいただいている謙虚さを忘れずにいたいと思う。それが私たち人類共通の問題解決の最初の一歩になると、私は信じたい。

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