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「家族憲章は、緊急ではないけれど重要なこと。転ばぬ先の杖。」 「家族憲章は、緊急ではないけれど重要なこと。転ばぬ先の杖。」

オタフクホールディングス
社長 佐々木茂喜 様

佐々木社長とは、2010年ごろに経済産業省主催の「地域活性化とファミリービジネスの役割in広島」と題するシンポジウムの場で初めてお会いしました。
フィーモを立ち上げてまもなくしての再会、そして家族憲章作成プロジェクトスタートに至る経緯は、2019年8月号日経トップリーダーの星野リゾート 社長 星野様との対談記事で以下のように回顧されています。

星野:
日本ではまだ「ファミリー憲章」という言葉を知らない人も多い。「つくろう」と思ったきっかけは、何かあるのですか。
佐々木:
神様が降りてきたんですよ(笑)。突然、天啓のように「やろう、やらなくては」と、使命感が湧いてきた。思えば、同族経営のいいところも悪いところも、人一倍見てきましたから。
私は、創業者の孫です。大学卒業後、オタフクソースに入社。間もなくして、先に入社していた兄が会社を去り、2代目社長の父が早逝しました。それから私は、父の弟3人の社長の下で23年半働き、2005年に6代目社長になりました。その間、会社は大きく成長しましたが、そんな流れの中では当然、いろんなことが起きます。
星野:
赤裸々な記憶の蓄積が、フラッシュバックした、と。
佐々木:
社長就任から6年後、経済産業省のイベントで偶然、「ファミリービジネス」という言葉を知り、この分野を開拓中のコンサルタントと出会いました。最初は「何の売り込みだろう」という警戒心もありました。でも、どこか気になり、再度、お会いした。そこでファミリー憲章などについて聞くうち、「これを佐々木家に導入するのが自分の使命だ」と直感しました。

2013年からほぼ2年をかけて、家族憲章を完成させました。その間の山あり谷ありの議論の経緯については、以下のとおりお話されています。

佐々木:
前述のコンサルタントに13年春から毎月、広島に来てもらい、従兄弟8人が半日がかりで侃々諤々と議論を続けました。しかし、とにかくもめた。
星野:
どんな論点で?
佐々木:
まずは「なんで?」です。どうして、親族の間にルールをつくるのか。それが、どうして今なのか。事業もうまくいっているし、家族がケンカしているわけでもないのに、なぜ、そんなことをする必要があるのか、と。
しかし、やっぱり「転ばぬ先の杖」なんですよ。具体的な社長交代や相続でもめる前に、ルールを決めておくことに意味がある。「緊急ではないけれど、重要なこと」と、言い換えてもいい。
星野:
言い得て妙です。ただ、第三者がいなければ、理性的に議論するのは難しかったでしょう。
佐々木:
ええ。各論でも、反発がありました。特に抵抗が強かったのが、佐々木家の中から、株式を持ち、会社に入れるメンバーの人数に上限を設けようという、私の提案でした。どこかでタガをはめないと、会社中が佐々木姓の人間ばかりになりかねない。それで会社の発展があるでしょうか。
星野:
最終的には、皆さん、納得されたのですか。
佐々木:
はい、私たちの従兄弟8人の家族を「八家」として、株主も社員も1家族から1人ずつに絞ることになりました。
星野:
以前に取材した、キッコーマンさんと似た方式です。
佐々木:
実は議論が白熱した末に、コンサルタントの方が、非同族の役員たちに匿名でインタビューをしたんです。すると、隠れていた本音がぽろぽろと出てきました。「どうせ佐々木家の会社だから」「社員も結局、佐々木家のことしか見ていない」「佐々木でなければ、社長にはなれない」……。
従兄弟たちに「表面上は、いいことを言ってくれている部下たちも、本当はこう思っているんだよ」と話しました。そこから空気が変わり始めましたね。」

2019年8月号、日経トップリーダー

「星野佳路のファミリービジネス研究会第25回」星野リゾート星野社長との対談記事より抜粋

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