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2020年12月4日ニュース

「アドバイザーのつぶやき」第18回『会社は誰のもの?#2.平成16年より前の譲渡に落とし穴』を投稿しました。

★アドバイザーのつぶやき 第18回 20/12/4★

会社は誰のもの?
#2.平成16年より前の譲渡に落とし穴

私が経験したのはこういうケースです。あるファミリー企業グループは、本家Aがオーナーシップを握った親会社Aで本業を行うかたわら、3つの分家がそれぞれに子会社として営む周辺事業とで構成されていました。そのファミリー企業グループで、分家の一つである分家Bに事業を継ぐ子息がいなかったことから、この分家Bに任せていた子会社Bを外部へ売却することになりました。子会社Bのキャッシュフローは安定しているものの、本業とのシナジーが薄く、またこの分家Bと本家Aの折り合いも悪かったため、売却代金の相当額を分家Bへ渡すことでファミリービジネスから離れてもらうことが、ファミリー会議で決まりました。創業から長い年月が経ち、本家と分家の家族の数が増えたことにより、オーナーシップが複雑になり、創業者から見て、いとこ、はとこがファミリー企業の中心を構成するようになると数々の問題が出てきます。

今回のケースは円満にファミリービジネスを再編したケースです。売却金額は数億円で、子会社Bの当時の株主は本家Aの当主、親会社A、それに分家Bの当主と妻と子供2人(女性)の合計6人です。子供たちは医者と学者で子会社Bを継ぐ気持ちはありませんでした。

一方で、このディールの買い手側の社長はもともと金融機関でM&Aをやっていた人で、これまでにも片手に余る数の会社を買収してきていましたし、その中でいろいろなトラブルを経験していました。例えば、売り手企業の株主名簿に記載されていない株主が買収後に現れてトラブルになったケースです。対応としては、監査法人を正式にアドバイザーに付け、デューデリジェンス(DD)を慎重に行ってきました。(この問題については後ほど#4でも触れます)

今回子会社Bの買収で問題となったのは、子会社Bの株主6人の内、子供2人の株は子会社Bの業績が悪かった時期に分家Bの当主の父(既にお亡くなりになっています)から譲渡(売買)したものであったことです。業績が悪く株の評価額が低い時期に株を譲渡によって孫や子供へ引き継がせることはたまにあることだと思います。相続で株を承継した場合には生じないのですが、平成16年の旧商法改正以前に譲渡で株の承継を行った場合には、「あなたは本当に株主ですか」、「それを証明してください」と突きつけられるケースがあります。今回のケースはそれにあたります。

ここから小難しい会社法(旧商法)のお話になりますが、お付合いください。
商法の時代は長らく、すべての会社において「株券」を発行することが強制されていました。一方で、「株券」をわざわざ印刷して発行する会社が少ないという実態を踏まえて、平成16年の商法改正では、「株券」発行を原則としたまま、新たに株券不発行制度を設け、定款で定めることにより「株券」を発行しないことが認められました。これ以降、多くの会社で「株券は発行しない」と定款変更しています。問題は、定款変更前の株の売買で、株券を発行せずに売買(譲渡)が慣例的に行われていたことに起因します。
次回はこの問題をもう少し具体的に見ていきたいと思います。(by smile)

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