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2020年4月29日ニュース

ファミリービジネス関連の書籍を紹介する「J.P.通信」でEps.14 塚越 寛著『幸せになる生き方、働き方』を投稿しました。

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だんだん暖かくなってきました。今年はいつものように手放しで喜べるGWというわけにはいきませんが、日々の少しずつの変化を良い方に考えていければと思います。

今回は、危機に生きる経営者にはまさに金言名句の詰まった本の紹介です。

著者は、今ではトヨタをはじめ多くの経営者から尊敬されている伊那食品工業会長、塚越寛氏です。塚越会長の経営理念の中で特に注目されているのが、「年輪経営」。急成長を戒め、年輪のように少しずつ「足腰の強い経営体質」を実現しようというものです。新型コロナウイルス蔓延に伴う経済悪化に伴い、多くの中小企業が解雇を余儀なくされる中、伊那食品工業では一貫して社員の雇用を守り続けています。まさに、「年輪経営」だからこそ実現できた幸せの形でしょう。この著書には、塚越会長の企業としてのこれからのあるべき姿が非常に分かりやすく、そして読みやすく書かれています。皆様の幸せの実現のヒントになる言葉が、見つかることを願っています。是非、ご一読下さい。

J.P.

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「幸せになる生き方、働き方」

塚越 寛 著

 

「ありがとうと、いわれるように、いうように」。二宮尊徳を尊敬する人物と語る著者、塚越寛氏が大切にしている言葉だ。ありがとうという感謝の気持ちを、言葉で表すだけでなく、身近な人たちや自分に関わりある全ての人たちに感謝されるようなことを積極的に行っていくべきだと述べている。何事も「当たり前」ではない、「有り難い」ことばかりなのだと。

 

塚越氏の経営理念の背景には、彼自身の貧しさ故の豊かな経験がある。

父を早くに亡くし、塚越氏の母は5人の子供を女手一つで育てた。貧しさ故に、多くの人たちの優しさに助けられた。人との繋がりの有り難さを知った。

高校に進学し、塚越氏もアルバイトで家計を支えようとしてきたが、栄養不足と過労で入院し、高校は退学せざるをえなかった。3年間外に出ることも満足に出来ない状態になって、生きていることと健康でいられることの有り難さを知った。

無事に退院した後、地元の木材関係の会社に就職した時、仕事を通して世の中の役に立てる喜びと、働けることの有り難さを知った。

このある意味特殊な経験が、塚越氏の今も揺るがぬ「年輪経営」の根幹を成していることは言うまでもない。1958年、前経営者の借金と、幼稚でわずかな設備、10数名の社員を受け継いで21歳という若さで現在の伊那食品工業の社長代行になった。まさに「どん底からのスタート」だったが、塚越氏はとにかく「正しい会社作り」に尽力し、リストラも行わなかった。本来ライバル関係にあたる企業とも敵対することなく、過当競争を避け、着実な「成長」を実感しながら歩み続け、1958年からかんてんブームの起きる2005年までの48年間連続の増収増益をやってのけた。競争の激しい現代のビジネス社会において、この結果を残せたことこそ、塚越氏の経営理念の価値を物語っている。

 

著書の中で塚越氏は、様々な問題や疑問への答えを用意しているが、取り分け一貫して主張しているのが「企業の永続の重要性」だ。そのために「社員を幸せにする」という自身の原点を忘れることのないように心がけ、企業の目的は従業員の幸福追求や社会貢献であり、利益を得ることと企業の成長は単なる「手段」なのだと、塚越氏は語る。

現代社会において、多くの中小企業が厳しい経営環境にある。特に人口の集中する都会では、多くの面で利点がある反面、それを得るためには対価となるカネが必要となる。そして企業は目の前の数字に囚われ、本来の目的を失い始める。リストラによって、本来守るべきはずの雇用を企業側にとって都合のよい「大義名分」で切り捨て、利益のためと割り切り売りたくもないものを売る最低の商売が横行する。結果その会社に勤める従業員は不幸になり、企業そのものの存在意義は無くなり、会社はあっという間に倒産する。塚越氏は、現代におけるこの流れに歯止めをかけるべく、この著書を通じて多くの社会人たちに語りかけているように感じる。

 

『会社というものは、いつか必ず倒産する。何故なら人間は、多かれ少なかれ、「楽をしたい」「遊びたい」などという欲求を持っており、楽な方に流されてしまうものだからだ。人間の営みに「永遠」はない。だからこそ、いつかはつぶれると分かっていても、そうした人間の本性に引っ張られないように全力で努めることが、私たちの責任である。』

 

現代社会は、技術の急速な進化により、人間の仕事は昔よりずっと楽になった。だが、そこから得られるはずだった「本当の幸せ」や「幸福追求のための時間」を、私たちはちゃんと得られているだろうか、活かせているのだろうか。私たちも、今一度自分の幸せの「原点」に立ち戻って考えるべきなのかもしれない。

 

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