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2020年4月9日ニュース

ファミリービジネス関連の書籍を紹介する「J.P.通信」でEps.11 藻谷 ゆかり著『衰退産業でも稼げます「代替わりイノベーション」のセオリー』を投稿しました。

(FBページはこちら⇒ https://www.facebook.com/JP通信-by-FEMO-782507828813683/?modal=admin_todo_tour

とうとう緊急事態宣言が発令されました。海外のようなロックダウンは無いものの、ますます心理的抑圧が増していく日々ですが、心の豊かさは失わずに日々を過ごしたいものです。僕自身、この投稿を続けていることで今の自分を保てている部分があるように感じています。読んでいただいている皆様の温かい心に、改めて感謝しつつ、今後も続けていければと思います。
今回ご紹介するのは、長野の田舎に「愛ターン」した元経営者から見た、モデルにすべき企業の紹介本です。著者である藻谷ゆかりさんは、かつてバリバリのキャリアウーマンで経営者だった自身の経験を活かし、現在は事業承継や地方活性化につながる企業を支援する「巴創業塾」を主宰し、指導者として活動しています。
この著書は世代交代と同時に事業再生に成功した全16社の直接取材によるインタビューとそれに関する調査を基に、藻谷さんが専門家として随所にコメントを入れることで、その会社の判断にどれほどの価値があったのかが実に分かりやすく書かれています。会社の置かれていた当時の状況など、時代背景の解説も丁寧で、ビジネス書という括り無しで楽しめる内容になっています。
一時は「衰退産業」とも言われその一途を辿っていた日本の伝統の会社が、代替わりというチャンスと考え方1つで見事に復活した。そのエピソード、是非ご一読下さい。
今回は本の帯に、著書の中で紹介された会社が一部、簡単な紹介文と併せて掲載されていたので、いつもより1枚分多く画像を載せています。参考までにご覧いただければと思います。
J.P.

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『  衰退産業でも稼げます 「代替わりイノベーション」のセオリー  』
藻谷 ゆかり 著
「今ほど人間と文学が軽んじられている時代はない」。著者である藻谷氏は、以前どこかで見たこの言葉が、今でも強く心に残っているという。日本の誇れる伝統文化が、時代の流れとともに衰退しているのは嘆かわしいことだ。藻谷氏はこの日本の長く続いてきたローテク産業の、コンピューターでは代替出来ない「人間の営み」が持つ大きな可能性を信じている。
「日本は、世界から見れば十分強い特長があるローカルである」。これは、ハーバードでMBA過程を修了し、外資系メーカーに勤務歴もある藻谷氏だからこそ持つ説得力ある発言だ。藻谷氏自身が事業承継において、特に重要視していることは3つ。初心を大事に承継に携わることで、会社に元々ある宝の価値に気づき発展させていく「ビギナーズ・マインド」。会社の持つ強みを、時を重ねてさらにその価値が積み重なっていくという「増価主義」。そして、地元だけでなく、会社の活動をきっかけに外から人を呼び込み地方を活性化させる「地産外招」。それによりいわゆる「三方よし」が実現できると、藻谷氏は指摘する。
この著書の中で紹介されている全16社は、それぞれのサクセスストーリーと経営戦略があるが、経営者に2つの共通点があるとも藻谷氏は指摘する。1つは、「熱意」を越えて、成功するまで粘り強く事業を続ける「熱量」を持っていること。そして、いわゆる「資金調達力」(稼ぐ力・貯める力・借りる力)が備わっていることである。その意味では、ここで紹介されている16社は、後継者に非常に恵まれたと言えるかもしれない。インタビューの中でも、それぞれが自分たちの商材にどれだけ魅せられ、その「価値」を信じているかが窺い知れる。先代の想い、過去に敬意を払いつつ、その価値をさらに高めようと努力する彼らの姿勢には、これからの時代に繋げていくであろう希望を感じる。
藻谷氏の後輩で、今は漆職人として金継ぎを手掛ける小島ゆり氏の言葉に、印象的なものがある。
「起こった変化を受け止めて、さらに価値を高める機会にする」。
これは、漆職人という伝統的な仕事に限らず、誰のどんな仕事にも当てはまるものなのではないだろうか。今までも、そしてこれからも、私たちは目には見えない大きな流れの中での変化を求められるかもしれない。それをチャンスに変えられるかは、自分の意志次第なのだ。

 

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